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ガソダム00非公式ファンブログ /女性向け注意/オンラインブクマ禁止/無断転載禁止/ ユニオン中心!ビリグラ。時々アレハレティエとハムサワ。 ネタバレ配慮皆無、週遅れなし。 !15禁! キリ番踏んだぜ!って方は拍手かコメントでリクをいただければ最優先で何か書かせていただきますぜ旦那
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2024/05/18(Sat) 23:03:24

サワロクSSSです。
コーラサワーならロク兄を幸せにしてくれるんじゃないかと思って。
……見事に玉砕したのはなんでだろう……
ちょっと鬱い。



 「ん?俺は幸せだぜ?」
そう言ったヤツの目がやけに優しかったので、俺にはそれが嘘だとわかった。この男は嘘をつくのが上手い。上手い、というより、嘘をつきすぎてそれが本当になり、本当のことを話すときひどく不自然になる。その歪みはとても小さくて見つけにくかったが、幼い頃を知る俺には容易かった。
「お前がいるし、な」
それさえも嘘だと分かると急に胸が冷えた。氷を心臓に突っ込まれた気分だ。目の前の男が俺をいっさい必要としていないのではないか、という不安にかられ、それが真実だと認めたくなくて小さく頭を振った。ヤツはそれを、ヤツの言葉への否定と受け取ったようで、慌てて俺の目を覗き込んだ。至近距離で見詰め合う。ヤツのきれいな瞳に俺が映る。
「パトリック、どうし…」
「お前は、バカだよ」
どうしてだろう。怒鳴ってやるくらいの気持ちだったのに、喉から絞り出したそれは酷くやわらかい音になった。やるせなかった。自分が救えないのだったらどうか、誰でもいい、いや本当は自分が救えればと思うけれど、それが叶わないのなら、神様とやらに祈ったっていい、誰かこの男を救ってくれ。
「ばかだ」
もう一度なんとか言葉を吐き出す。きょとんとしているヤツを、力の限り抱きしめた。苦しい、と言って身じろぐヤツを閉じ込めるように腕に力を入れる。おとなしくなったので、茶色い癖っ毛を乱暴に撫で付けた。
「泣いていいんだよばか」
幸せになれない、なりたいと、叫んで泣けばいい。誰が悪いのか叫んで憤怒して、大切なものを返せと詰ればいい。俺でいいなら、思う存分にあたればいい。それができない不器用な男だ。おそらく俺だけではない、誰にも素顔など晒せない、不器用でばかな、大人子供。
「泣けよ、愛しているから」
俺はこんな言葉しか持たないけれど、ヤツの心をこじ開けるバールの取っ掛かりにでもなれればいい、と思う。誰かが乱暴に、残酷にヤツの殻をぶっ壊し、膿んだ傷を啜り泣かせてやれればいい。そのとき初めて、ヤツは幸福とは何かを知るだろう。その役目が自分ではないことが悔しくて歯がゆかった。
「…パトリック、ありがとな」
抱き込んだ顔が、せめて微笑んでいないことを祈った。
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2008/03/16(Sun) 21:23:34
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