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ガソダム00非公式ファンブログ /女性向け注意/オンラインブクマ禁止/無断転載禁止/ ユニオン中心!ビリグラ。時々アレハレティエとハムサワ。 ネタバレ配慮皆無、週遅れなし。 !15禁! キリ番踏んだぜ!って方は拍手かコメントでリクをいただければ最優先で何か書かせていただきますぜ旦那
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2024/11/22(Fri) 19:19:01
死にネタ!注意
苦手な人は即・離脱してください。

また書いてしまった…何パターン書いたら気が済むのか。
カタギリもグラハムも自分が死ぬときも相手が死ぬときも、ほんとは取り乱さないんじゃないかなと思って。



そういえばこっそりコスブログと繋げました。まだ写真がないていたらく。
興味のある方はリンクからどうぞ。

では、何番煎じだ!な死にネタでもいい方のみ下からレッツドン




 私たちの別れはひどくあっさりとしたものだった。いつものように背中越しに手を振って別れ、私は出撃、カタギリは輸送艦に残った。それが永の別れになるとも知らずに。
 任務中に緊急通信が入り、輸送艦襲撃の報を受けた。ガンダムとの交戦中だったから、焦ってもすぐに向かうというわけにはいかなかった。手薄になったところをやられたか、と歯噛みして輸送艦に通信を繋げる。sound onlyと表示された画面をちらりと見つつ、ガンダムに牽制射撃を続ける。鹵獲の千載一遇のチャンスを逃すのか。だがユニオンの頭脳の聞きでもある。私は通信機に向かい大声で叫んだ。
「カタギリ!無事か!?」
答えはない。ノイズが酷く、何も聞こえなかった。ガンダムの特殊粒子のせいかと思うと忌々しい。急旋回してサーベルを向けてきたガンダムをかろうじて避け、距離を取った。このままではやられる。舌打と共に離脱し、飛行形態へと空中変形して輸送艦の現在地へと向かった。

 輸送艦は飛んでいなかった。それは地に落ち、巨大な瓦礫の塊となって炎にまかれ白煙を上げている。近くに敵影が無いことを確認し、存外冷静な自分に驚きながら、その傍に着陸した。クルーは緊急脱出できたのだろうか。それとも。
 フラッグから降りて瓦礫の山に近づいた。炎の勢いが酷くて近づけない。かと言ってやみくもにMSで作業しようものなら、瓦礫に押しつぶされて生存者をみすみす殺してしまうかもしれない。どちらがいいのか咄嗟に判断できない。結局MSに再び乗り込み、注意深く瓦礫の山を掻き分けた。数人のクルーを救出することができたが、後からやってきた部下たちとの作業の末ほとんどのクルーは脱出することも救出されることもなく、瓦礫の下敷きになったり煙にまかれたりして命を落としたのだと知った。遺体を掬い上げる度、これはカタギリなのだろうかと妙に冷えた頭の中で考えた。背格好が違うとか、もうそんなことでしか判断できないような遺体がたくさんあった。触ったら崩れてしまいそうな遺体もあった。鎮火の後に搬出するしかないだろう。遺体の上がらないクルーもいるかもしれないなと思った。

 数時間後、救助隊により鎮火と救出できるクルーの救出、遺体の搬送は終わった。私は瓦礫の運搬にかかりきりだったので、カタギリの死をその救助隊員から聞いた。
 遺体が並べられたテントに入ると、肉の焦げた嫌な臭いがした。すすり泣く生存者の声が響いている。テント内は薄暗く、どんなに科学が進歩しようと、死の場所はきっとこのまま変わらないのだろうと思った。
 案内されたのは、最も損傷が酷い遺体が集められた場所だった。服装さえわからない、そもそも人であったのが嘘のように黒く焼け焦げている。列の中ほどに、カタギリはいた。
 本当にカタギリなのだろうか、と不思議に思いながら、その傍に跪く。服も何もない、黒焦げた塊だ。眼鏡は外れたのか焼け落ちたのか、ない。ただドッグタグだけが熱でひしゃげながらそこにあった。ビリー・カタギリ、とある。本当にカタギリなのだ、と証明するのは小さなそれでしかなかった。
「先に死ぬのは私だと思っていたよ」
呟く。触れたかったが、触れると崩れてしまうのだと知っていたから指を引っ込めた。
「カタギリ、熱かったか」
煙にまかれて先に意識を失い、じわじわと身体を焼かれたのだろうか。どうやって死んだのか、それが気にかかった。せめて苦しまずに逝ったと思いたかった。そんなものは生き残ったものの気休めにしかならないと分かっていたけれど。
「…技術顧問は、最後までモニタの前から離れなかったんです」
背後から女性の声がした。振り返ると、カタギリの部署なんだろう、よく顔を見る女性がいた。顔や手や足に包帯を巻いていたが、どうにか生き残ったようだ。よかった。誰かが救われないことには、やりきれない。
「もう落ちるって、死ぬって分かったとき、みんな脱出ポッドに殺到しました。若い順、女性を優先して、と顧問は言われて、僕は最後でいいって、いつもの様子で仰って、部屋の中に戻られて…モニタの前に座って。コーヒーとドーナツを、いつもみたいに食べながら、笑ってました。鼻歌なんか歌って。2人にしてくれると嬉しいななんて言って。どうして2人なんだろうって思ったけど、大尉とだったんですよね。モニタ、ずっと見てました。あなたが飛んでいるのを、満足そうに。私、あの人は死ぬべきじゃないと思った。みんなもそう思って、脱出ポッドに押し込めようとしたんです。顧問、すごく嫌がった。でも結局…全員間に合わなくって。運よく機体の隙間に入った人間だけ、こうして助かりました。どうして助かったのが顧問じゃないのかって、なんであんな優秀な、いいひと、が、…」
「きみが助かって、カタギリは喜んでいるさ」
私は彼女を宥めるために一度だけ抱き締め、頭をぽんと叩いた。そうして、2人にしてくれると嬉しい、と言って笑って見せた。彼女は深く一礼して去った。本当に2人きりという訳ではないが、まあいい。
「君を誇りに思うよ」
それだけしか言えなかった。あとのどんな言葉も音にはならなかった。私は無言でしばらくカタギリと対峙し、そして背を向けた。カタギリがいなくても私は進まねばならないのだ。飛ばねばならない。いつだってカタギリがモニタの前にいるのだ。そうしないと肩を竦めて皮肉られてしまう。





 だが今だけは、どうか泣かせてくれ、いいだろう?カタギリ。


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2008/01/21(Mon) 16:39:14
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