ガソダム00非公式ファンブログ
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ユニオン中心!ビリグラ。時々アレハレティエとハムサワ。
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舞奈様から頂いたキリバン3000リク、グラハム酔っ払い話です。 ひどく視界が回る。こんなに酔ったのは本当に久しぶりだった。 ガンダムと戦闘し、緊急通信でクーデターの報を受けて已む無く退いて、身体に燻る熱を持て余していた。そこへ翌日のあの非武装ガンダムだ。手が出したくても出せない状況に私はひどいフラストレーションを抱えていた。イナクトを操る第3勢力の存在だとか、その性能の高さだとか、対策を練るべき問題は山のようにある。しかし報告書を提出し終えた今、私一人で考えようと詮無いことばかりでもあった。それらの鬱憤すべてをうまく発散させるために、私は酒を飲んだ。本当ならば、シュミレータや射撃訓練の方がよほどいいストレス発散になるのだが、いかんせん今は夜で、疲れた身体を休めるべきだとも思う。それに何だか酒を飲んで酔いたい気分だった。私は部下とカタギリを誘い、基地に程近い繁華街のバーへ向かうことにした。部下は苦笑しながらも付き合ってくれたが、カタギリはデータの解析が残っていると言って一人ラボに篭もってしまった。私は何だか拍子抜けして、それからちょっとハメを外してみたくもなって、いつもよりハイペースでグラスを空け続けた。 0時をまわった頃、ダリルとハワードに半ば無理矢理グラスを取り上げられた。私が不満を訴えても、2人は顔を見合わせて肩を竦めている。面白くない。 「何故止める?!私はまだ飲めるぞ!」 「中尉~、もう仕舞いにしましょうぜ?」 「このくらいにしとかないと、俺たちが技術顧問に睨まれちまいますよ」 納得がいかない。どうしてカタギリに睨まれるのだろう?ダリルを見上げると、視線をあからさまに泳がせ、代わりにハワードが本人に聞いてくださいよ、と答えた。成る程、続きはカタギリと飲むのもいいかもしれない。私の愚痴をたっぷりと聞かせて、それから甘いセックスをして、ぐっすり眠ってしまおう。私はすっかり機嫌を直して席を立った。 まともに歩けないほど酔ってはいないが、基地まで戻るのは億劫だった。普通に歩けば20分ほどの距離だが、今の速度では倍以上かかりそうな気もする。私はしばらく思案して、思いついた良策を実行することにした。携帯端末を取り出して起動させ、短縮登録してある番号を押す。ほどなく、見慣れた顔がスクリーンに映った。 「カタギリ、迎えにきてくれ」 『………君ねえ………』 カタギリはうんざり、といった風に後ろ頭を掻いて、それからまじまじと私の顔を見つめた。 『大分酔っているようだけど、大丈夫かい』 「然程酔っていない。問題ないさ」 『……准尉、曹長、頼んだよ。10分で行く』 背後の2人が敬礼をしたので、私は宜しく頼む、とカタギリに言って通信を切った。背後の2人は申し合わせたように深い溜息を吐いた。…なんだ、今日はやけに仲がいいんだな。 「なんというか…技術顧問の気持ちがよおおおおおく分かりました」 何だそれは。 程なくカタギリが軍のジープでやってきた。私たちは支払いを済ませ、店の外に出る。足にはきていないだろうと思っていたのに、立ち上がると存外目が回った。ふらふらと車に近づくと、目の前の助手席のドアが開き、中から細長い腕が出てくる。私はその手を掴んで、どうにか助手席に乗り込んだ。私に続いてダリルとハワードが後部座席に乗り込むと、カタギリはすぐさま車を発進させた。そういえば、カタギリは先ほどから一言も言葉を発していない。 「感謝する、カタギリ」 カタギリは無言でいる。私はそれからつらつらと酒の席で出た噂話やジョークをネタに話しかけたが、何の返事も寄越さなかった。10分ほど経ったところで睡魔が襲ってきたので、それに任せて私は黙って少しまどろんだ。 目を覚ますと、見知った天井が視界に広がっていた。見知ったと言っても自室のものではない。カタギリの自室だ。同じような天井だが、家具の配置が微妙に違っているため、見える景色が違う。そうして瞬時にわかってしまうくらいの回数の朝をここで迎えたのだと思うと不思議と笑みが浮かんだ。 「…起きたかい?」 「ああ…手間をかけさせてすまなかった」 起き上がろうとすると、ぐらりと視界が歪んだ。頭の芯ががんがん痛む。シーツの海に逆戻りすると、こちらを向いているらしいカタギリの笑い声が聞こえた。 「君がそんなに酔うなんて珍しいね」 「私とて、酔いたいときもある…」 そうだろうけど、とカタギリは呟いてこちらに歩み寄ってくる。ぺたぺたと聞きなれたスリッパの音を立てながらベッドサイドに来ると、彼はベッドの淵に腰掛けて私の顔を覗き込んだ。髪を解いているせいで、さらりと流れた幾筋かが私の頬を擽る。それがなんともくすぐったくて私はその髪を掴んで少し引っ張った。カタギリは困ったように笑って、ゆっくりと私にキスする。子供にするような優しくて軽いのを一つ、二つ。そのままカタギリは離れて行った。それから意地の悪い笑みを浮かべる。 「非武装のガンダムはどうだった?」 「それを今聞くか…!全く君の底意地の悪さには感動さえ覚える!」 酷いじゃないか!私は顔を思い切り顰めてカタギリを睨み上げた。カタギリは、人の傷を上手く探り出して懇切丁寧に塩を塗り込んでやるのが好きなのだ。なんというサディストだろう。こんな男が、MSWADの連中からは「慈悲深そう」だの「話し易いいい上司」だのと言われているのだから全く世の中分からないものだ。その実は、声が無駄にセクシーなただのサディストかつ変態なのだ。私はよく知っている。 「感動してくれてるところ悪いけど、僕は結構気になっているんだよ。何せ、直接見ていないしね。ガンディーを地で行ったガンダムとやらは、どんな様子だった?君はどう思ったんだい」 思いの外真剣な声に面食らって、カタギリの顔をまじまじと見つめる。私は酔って鈍った頭で考えた。どんな答えを返すべきだろう。カタギリだって酔っ払いに冷静かつ微細な報告を求めている訳ではないに決まっている。だとすれば、この状況に見合う言葉を捜すべきだろう。私は握ったままだったカタギリの髪を指に絡めて遊びながら思案した。カタギリはただじっと私を見ている。 「…そうだな。美しかったな」 そして悲愴な姿だった。あんな痛ましい姿が彼らの主張ならば、きっと彼らには滅びが待っている。プロフェッサーの言う通りかもしれない。だが、私はただ美しかったのだと答えた。カタギリはあからさまに不愉快そうな顔をした。 「どうした。嫉妬か、カタギリ」 我ながら憎たらしいと思える声音で私はそう誘いをかけた。カタギリは虚を突かれたように一瞬黙り込んだが、それから苦笑して私に圧し掛かってきた。 「嫉妬か、そうかもしれないね。君の心をそんなに掻き乱すガンダムに。君と一緒に酒を飲んで楽しんだ准尉や曹長に。…僕は、嫉妬してるよ、グラハム」 最後の声はひどく甘い。私はくすくす笑ってカタギリの首に腕を回した。それから抱き寄せた首筋に唇を落とし、耳を舐める。そうして、思い切りセクシャルな声で言ってやった。 「馬鹿だな。私は君に甘えたくて酒を飲んだというのに」 私の肩口で小さく息を呑んだらしいカタギリの顔を見たら、とりあえずキスをしよう。私はそう考えながら、小さく笑った。 PR 2008/01/09(Wed) 02:59:01
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