ガソダム00非公式ファンブログ
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ユニオン中心!ビリグラ。時々アレハレティエとハムサワ。
ネタバレ配慮皆無、週遅れなし。
!15禁!
キリ番踏んだぜ!って方は拍手かコメントでリクをいただければ最優先で何か書かせていただきますぜ旦那
自分、不器用ッスから!ネタのストックとかできないッスから!
というわけで週末まで我慢できずにクリスマスネタ。 …当日までに書けたらもう一作アップします…! 甘く甘くを目指して三千里。 もうじきクリスマスだ。軍と言えどお国柄この行事には皆敏感で、こぞって休暇を取ろうと躍起になる。新婚の者、子供のいる者、若い者に休暇を譲るという暗黙の了解の下、私とカタギリは当然のようにオフから外された。つまりは貧乏クジである。もっとも、仕事の虫という表現がぴったりな我々にとっては、それは歓迎すべきことのように思えたが。 そんな理由で、私は24日の朝からMSWADの本部棟に詰めていた。クリスマスや年末ともなると人間の移動がひどく活発になる。テロ警戒の観点から、我々MS乗りは交替で待機を命ぜられていた。前日の深夜通達された私の担当は早朝から夕方までだったので、夜から明日の朝――所謂クリスマス・イヴの予定が奇跡のようにぽっかり空いていた。もちろん、仮眠室か軍内の私室での待機ではある。しかしながら都合のいいことに、私の恋人は軍でデータ整理に追われる可哀想な研究者だったので、全く問題ない。 思わぬ幸運に私は早速愛しい恋人にその旨をメールした。早朝からのトレーニングメニューを終え、雑務をこなしながらの休憩に入ったところである。いつもの通りMSの見える個室ラウンジに陣取ると、端末を立ち上げながらコーヒーを落とした。すると、メールを送ってから5分もしないうちに騒がしいスリッパの足音が聞こえ、在室確認ベルが鳴る。おざなりに返事をすると、待ちきれないのかパスを打ち込む音がしてスライドドアが開いた。…私の個人パスを変更の度に覚えるのは止めて欲しいが、言っても無駄なんだろう。 「やあカタギリ、メールは見…」 「急いでるから手短に言うよ、夜は何が何でも空ける、基地待機だろうからディナーはケータリングでいいかい、1900に僕の部屋でどうかな、というか君とイヴを過ごせるって何年ぶりだい、とにかく嬉しいよグラハム!」 また2日くらい徹夜でもしたのだろう。カタギリは妙に勢い込んで一息に言うと、私をぎゅうぎゅうに抱き締めた。煙草の匂いがする。ああ、やはり仕事が詰まって苛々したのだろう。カタギリは私の前や私に会うと分かっている日は煙草を控えるようにしているようなのだ。私は白衣に染み込んだ煙草の匂いごと、カタギリを抱き締め返した。 「ワインは私が持っていこう。…私も嬉しいよハニー」 おどけて言うと、カタギリは身体を離してとろけるような甘い笑みを浮かべた。それから耳元で、 「君を愛しているよ、ダーリン。また、夜に」 と、やけに腰にくる美声で囁いて、上機嫌で走り去った。 …こういうとき、心底、奴の恋愛経験の豊富さを思い知らされて腹が立つ。女性に騒がれるのも当たり前だ、と思わされるのが非常に癇に障るのだ。私は大きく息を吐いて、先ずは個人パスを変更すべく端末のキイを乱暴に叩いた。 夕方の予定の筈が、昼過ぎにはテストが終わってしまい、次の待機者に替わった。仕方が無いので自室に戻って仮眠を取ることにする。…どうせ今夜はろくに眠れまい。 部屋へ戻ると、急にプレゼントの用意をしていないことに気づいた。毎年毎年シフトがすれ違ってクリスマスなど共に過ごした覚えが無い。そのため何かを贈るという概念が私たちの間には存在しなかった。買いに行く時間もさほどとれないし、お互い物を欲しがるタイプでもない。しかしどうしたことか、今夜は何かカタギリに贈ってみたい気分だった。何でもいい、何が喜ばれるだろう、基地から出ずにどこかから届けてもらえる品物がいい…。考えながらシャワールームへ向かった。 1900きっかりに、カタギリの私室のベルを鳴らす。技術部は既に覗いて、退勤したのを確認済みだった。一応盛装で来たが、カタギリがまだ白衣である可能性は捨てきれない。扉を開けて私を見た途端、唖然とする彼の顔が楽しみだった。 「ようこ、そ……?!」 カタギリの切れ長な目が驚きに丸くなる。そんな顔をすると、三十路過ぎの男でも可愛く思えるから不思議だ。予想に反して着替える時間がとれたようで、ラフな盛装というべきか、Tシャツにツイードの上着を着ている。一度シャワーを浴びたのだろう。髪は解いていて、整髪剤とつけたてらしい香水の香りがした。 「メリークリスマス、カタギリ」 私は、両腕めいっぱいに抱えた真紅の薔薇の花束を、カタギリに押し付けて笑った。 さあ、クリスマス・イヴの始まりだ。 PR 2007/12/20(Thu) 00:23:31
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