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2024/11/23(Sat) 01:31:13
書いてる途中でデータが一回全飛びしやがりました。


………orz


いや、ビリーはこんな失態犯さないだろうけど、なんとなくビリーな気分になりました。
あ、そうか、一生懸命作ったMSを、どっかのエースが無茶な操縦でフルボッコにしてくれやがったらこんな気持ちになるかもしれない。

ともあれ、過去捏造編その2です。例のとおりエースのシャウトからどうぞ。







 それから僕は、彼を研究室の中に招いた。一人寝袋で鼾をかいている奴がいたが、そいつ以外はどうやらいないらしい。そういえば今日は週末だった。僕が眠っている間に、みんなで飲みにでも出掛けたのだろう。つくづく自由人たちの巣窟だ、ここは。
彼はもの珍しそうに棚の資料や、転がった寝袋と模型、紙媒体が山になっている大きなデスク、それから点けっ放しの端末を見回した。大きな碧眼がぱちぱちと忙しく瞬くのは、見ていてとても微笑ましい。4回のスキップということは、17歳か。なるほど、こうしている顔は17歳か、もっと幼く見える。

  僕がデスクの上の紙媒体を盛大に床に落としてスペースを作り、その前の席を勧めると、彼はちょっと引きつった笑顔を浮かべてそれでも素直に腰掛けた。ううん、3年間の研究生活で麻痺しているが、確かに研究室はかなり汚い。デスクがデスクとしての役割を果たしていないのだから、全くみんな不精というかなんというか。僕は苦笑を漏らして、彼の隣に腰掛けた。目の前に散乱した図面ファイルを横にどかし、彼が抱えていた資料を見る。
「うん、やっぱり僕も受けている講義だよ。この文献、面白かったよね」
「ええ、とても。やはりエイフマン教授の推薦なだけはありました。論の展開に飛躍があるところが気になりますが、次世代MSの新たな可能性を指摘している。可変型が主流になるという意見は、僕も支持するところです」
彼は非常に明朗快活に喋った。僕にはそうして物怖じしない彼が好ましく見えた。昼にクジョウに聞いた話から勝手に友人は少なそうだと想像していたが、この印象ならきっと尊敬を集めているんだろうと思い直す。
「飛行形態をとるMSはこれまでもあったけれど、変形時間の短縮が課題だよね。関節強化と機動性が両立できればいいのだけど」
「ええ。僕が今日質問したかったのもそこに絡んでくるんです。この章の…ああ、この動力系の配線が良く分からなくて。こっちに繋がって…こう?出るんで合ってますか?」
「…君、もしかして、これ全部理解してるのかい?」
彼が示したのは、旧型MSの大まかな装備と参考までの配線図だった。もちろん僕らはメカニックもプログラミングも装甲もというオールラウンドな研究をしているからその辺りは実用知識として押さえているが、操縦をやってきた彼がそんなに細かいところまで学ぼうとしていることに心底驚いていた。こんなものが理解できているなら、うちの研究室に入ったっておかしくない。
「まあ、必要な部分は」
「うちの研究室に来ればいいのに。どうして戦略専攻なんだい?戦略ならうちでも少しは扱うのに」

  彼は急に押し黙った。只事でない雰囲気に、僕も思わず口を噤む。もしかして訊いてはいけない類のことだったろうか。やっぱりいい、と空気を和らげたい気持ちと、そこまでの知識があって何故、とやはり知りたい気持ちが交錯して、何も言えずにただ待った。彼はゆっくりと顔を上げると、僕の目を見て、はっきり、こう言った。


MSWADのパイロットになりたいからです」


  正直に言おう。その時僕は笑いを堪えていたのだ。どこの航空専門を出てライセンスを取ったのか知らないが、MSパイロットの中でもエリート中のエリートであるMSWADに入るなんて。しかも彼は既に17歳だ。大抵のMSWADパイロットは、15で入隊した兵士が育っていくうちに見出されてなると聞いている。これからあと2年は大学で学ぶらしい彼には、いささか遅い夢語りだと思ってしまうのも道理だろう。しかし彼の目つきは真剣そのもので、茶化すことはできなかった。その目を見つめているうちに、彼ならやるかもしれないとさえ思ってしまう。
  不思議だった。本当に真摯な目というものを、僕は生まれて初めて見た気がする。
「…MSWADに入るなら、早く軍属になった方が有利なんじゃないのかい?」
「僕は天才肌だとは思わないので、基礎から叩き込むしかないなと思ったんです。実戦と理論の基礎を固めて、それから入隊したほうが近道なのではないかと。どうせ軍属になっても、MSに乗るのはせいぜい数回です。そこで実力を示さなければならないのなら、僕は入隊前に腕を磨いておく方が得策だと思った。配属さえされれば努力できるけれど、見出されなければ配属さえ叶わないのだから」
一理ある。それは、自分の性質を見極めた上での正確な判断だと言えた。僕はすっかり笑いを引っ込めた。


 彼ならばやるかもしれない。今度は本気でそう思い始めていた。彼が操縦桿を握るMSが、縦横無尽に空を翔ける様子が、脳裏を過ぎった。








to be continued...
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2007/12/08(Sat) 22:13:38
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