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ガソダム00非公式ファンブログ /女性向け注意/オンラインブクマ禁止/無断転載禁止/ ユニオン中心!ビリグラ。時々アレハレティエとハムサワ。 ネタバレ配慮皆無、週遅れなし。 !15禁! キリ番踏んだぜ!って方は拍手かコメントでリクをいただければ最優先で何か書かせていただきますぜ旦那
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2024/11/22(Fri) 14:07:54

ビリー→グラハム。何年か前、2人とも今より若い感じで。
カタギリが乙女…orz
2人が大学一緒だったという捏造有り。





 彼は、いつも振り向かずに行く。





 彼は時折僕の髪を弄った。不精で伸ばしているだけなのだが、どうやらその手触りがお気に召したらしい。肩に腕を回してきたり、抱き締めてくることもあった。けれどそれが親愛の情を示すものであることを僕は知っていた。
 僕の方は恋愛感情があったのだ。触れられれば嬉しいし、傍にいたいと願った。けれども互いに求めているものが違う限り、擦れ違っているという感覚は拭えなかった。
 彼は、僕の気持ちを知っているのかもしれなかった。そうとしか思えない瞬間もある。彼自身それを楽しんでいるのかもしれない。それがたいそう憎らしかった。けれど、敢えて言わないその関係を楽しんでいる僕がいるのも事実だった。
 彼と僕との関係は、上手く既存の単語で表現することが出来ない。仕事上のパートナーが一番近いのだろうが、それもよく分からない。親友とも違うし、恋人であるはずもなく、保護者と被保護者でもないし、友達、という生ぬるいものでもないような気がした。
 彼と一緒に眠ったことがある。大学時代の合宿でのことだ。部屋が騒がしく眠れないと言った友人にベッドを譲った僕は、当然のことのように彼のベッドで眠った。彼もそうしろと言った。彼は直立不動でいた。男2人眠るには、シングルベッドはとても狭かった。僕は彼を抱き締めて眠るのが寝やすいと感じたが、彼はああ見えて繊細で、気をつかう男だからそうした。けれど足が触れて、僕の足がひどく冷えていると知ると足を絡めてきた。暖かい足だった。とても心地いいと思った。同室の男は眠りたがらずにしょっちゅう彼に話しかけた。僕には話しかけ辛かったんだろう。彼は眠かったのか、僕の手を強く握って、あいつを黙らせろと小声で訴えた。だから代わりに僕が返事をして、一方で彼をなだめすかし、同室の男には「彼は眠ってしまったみたいだ」と言って誤魔化した。彼は僕の手を離して眠りについた。正直残念だった。翌朝目覚めると、彼が起きるところだった。「今何時だい」と訊ねると、「6時半。いい、寝ていろ」という返事が返った。「起きるよ」と言うと、「食事当番じゃないだろう。まだ寝ていろ、な」と言われて布団をかぶされた。大人しく眠りにつきながら、その寝起きの声が貴重で、そしてちょっとセクシーだと感じた。そのまましばらく眠った。
 彼の寝顔は天使に似ている。色が白くて、金色の癖っ毛をしていて、その髪がちょっと頬にかかっていようものなら、間違いなく天使に見える。そう思っているのはきっと僕だけではない筈だ。もっとも、起きれば天使というより闘神といったほうが似合う男ではあるが。
 彼はとても傷つきやすく、繊細で、そして子供だ。頑固でわからずやで、優しくて冷淡でもある。紳士的で、時折世間知らずで自分勝手だ。眠たかったり疲れていたりするとすぐ無口になる。そして駄々っ子だ。わがままで聞きわけがなく、堪え性がない。そんなところが全て愛おしいのだから始末におえない。
 そういえば、彼に怒られたことがある。僕が不注意で階段から落ちた翌日のことだ。頬骨の上辺りにかすり傷を作って彼に会ったところ、「馬鹿か!」と怒鳴られた。びっくりした。面食らっていると、彼は一瞬ばつが悪そうにし、「スリッパなど履いて歩いているからだ」とだけ言った。もっと心配するとかどうとかしろよと思ったが、はあ、と返事をするだけで精一杯だった。彼流の心配の仕方だと理解するまでにしばらくかかった。



 それから、彼は決して振り向かない。彼を見送る時、僕は彼の背が見えなくなるまで突っ立っているのだが、彼は一度も振り向いたことがない。彼の背中は何者をも拒んでいるように見える。僕にはそれが、少し切ない。
 


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2008/02/11(Mon) 03:30:24
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