ガソダム00非公式ファンブログ
/女性向け注意/オンラインブクマ禁止/無断転載禁止/
ユニオン中心!ビリグラ。時々アレハレティエとハムサワ。
ネタバレ配慮皆無、週遅れなし。
!15禁!
キリ番踏んだぜ!って方は拍手かコメントでリクをいただければ最優先で何か書かせていただきますぜ旦那
注意!!!!死にネタです。苦手な人は回避してください!!!
前回はハムだったので今回はビリです。ビリーは何故か夏死ぬような気がする。 やばいなー筆がノッてくると眠れない…! 僕は31年前、カナダのオンタリオ州に生まれた。トロントから程近い地方都市で、昔から変わらない習慣でいろんな人種がいた。だから僕の英語はちょっと訛っている。コンプレックスに感じたことは無い。この口調がセクシーなのだと言ってくれた人がいるから。幼い頃は変な子供だったと思う。機械に興味を示すのは男児によくあることだったが、車まで分解しようとするのは些か行き過ぎだった。僕はそれらがどうやって動いているのかにとても興味があった。乗り物なら何だって僕の興味をひいた。船も飛行機も全てその範疇だった。そんな僕を、両親は面白がり可愛がってくれた。愛してくれた。僕は怖いものなど何も無かった。 5つの時、父に連れられて軍の演習を見に行った。そこで僕は初めてMSというものを見る。まず驚いた。あんなに自由に空を飛べる乗り物が、本当にあったのだと。そして、どうしてもそれを分解したいと思った。あの金属の塊の全てが知りたいと。そうして、それが高じて大学ではMSの研究に没頭した。僕は怖いものなど何も無かった。 そこで僕は運命に出会った。彼はとても魅力的な人だった。僕は彼を愛した。自由に空を翔け、それは楽しそうに笑う、全力で生きる彼を愛した。彼の為ならばなんだってできた。彼のことを知るたびに、彼のために僕は在るのだと思えた。初めて、怖いものができた。彼を失うことだった。 彼もまた僕を愛してくれた。傲慢な愛だと人は言うかも知れない。それでも僕はよかった。彼は地上に戻ると必ず僕の元へ来てくれたし、僕の作ったMSに乗ってくれた。僕にはそれだけで良かった。彼さえ失われないのであれば、僕は怖いものなど何も無かった。 世界は色々変わって、彼も僕も忙しく世界中を飛び回るようになった。その原因の組織と、その有する機体に彼は酷く執着した。僕は彼のサポートを全力でした。それがとても嬉しかった。誇らしいと思っていた。 何故、勘の鋭い彼より先に、放たれた銃弾に気付けたのかは分からない。だけど、それはとても喜ばしいことだと思った。僕は彼の身体を突き飛ばしながら、とても幸せだった。彼を失わずに済むのは、とても幸福なことだった。だから。 「いいんだよ、グラハム」 だから、いいんだ。僕はずっとずっと、ずっと幸せだったのだから、彼が泣きそうな顔をすることはないのだ。何一つ、彼を悲しませるものなんか、ありはしない。 彼が泣く所を、僕は見たことがなかった。情事の最中の涙は別だが、とにかく悲しみや苦しみに涙を流す男ではなかった。だから、最初は彼がどうして顔を歪めているのか分からなかった。 「なかないで」 彼は僕の身体をぎゅうぎゅうに抱き締めながら、何度も名前を呼んだ。肩口が湿ってくるので、彼が泣いていることを知った。 「僕は、幸せなんだよ」 彼は何度も首を振って、医療班が遅いと罵り、僕の腹を圧迫して止血していた。綺麗な白い手が、どす黒い血で汚れるのが見える。彼を見上げると、眩しいくらいのハニーブロンドに、日の光が反射してとても美しかった。 「飛んでくれ、グラハム」 視界が暗くなっていく。全身を揺さぶるような痛み。それさえ段々分からなくなる。 「グラハム」 あと何度君の名を呼べるのだろう。僕は、遠くなっていく世界に問いかけながら、必死に唇を動かし続けた。何処かで慟哭が聞こえた。 PR 2008/01/12(Sat) 03:38:01
この記事にコメントする
|